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ボード自体の構造は大きく別けて、心材に木材を使い、その周りをいろいろな素材で積層していく「コンポジット・タイプ」と、フォームなどの素材を「型」に射出して成形する「インジェクション・タイプ」があります。現在は、中に心材を使い、その周りにフォームを注入する中間的な物も出てきているようですが、大きく別けるとこの2種類に分類されます。
外形の形状としては、現在「キャップ」式のものなどが出てきていますが、中身は上記のいずれかでしょう。
簡単に言うと、性能を追求した物は「コンポジット・タイプ」、値段を追求した物は「インジェクション・タイプ」と考えてもらえば良いと思います。
既にご存知だと思いますが、ボードの性能は「ウエイト(重量)」「フレックス(柔らかさ)」「トーション(ねじれ)」「スイング・ウエイト(取り回し時の体感重量)」「アンチ・ヴァイブレーション(衝撃吸収)」などによって大きく左右されます。それぞれの強弱は、そのボードの使用目的によって異なりますが、ボードの製法や素材が、これらの機能に大きく影響している事は間違いありません。
また素材以外に「サイドカーブ」「キャンバー(そり)」「ノーズ・テール・キック」などの形状も、ボードの性能に大きく影響します。
工学部の機械系の学科で勉強されているとの事なので、それぞれの製法について簡単にお話すると「コンポジット・タイプ」は、サンドイッチを作る時のように、一つ一つの素材を接着剤を使って積層していき、最後にプレス・マシンに入れて約20分くらい熱を加えて圧着しする製法です。この工程には、手作業の部分がかなり含まれます。
これに対して「インジェクション・タイプ」は、あらかじめ決められた「型」の中にフォームなどの発泡する素材を射出し成形します。
個々の製法について、さらに細かく説明すると長くなってしまいますし、残念ながらこれ以上の知識は持っていません。
そこで、これからこの分野を目指して勉強される貴方にお願いしたい事が何点かあります。
スノーボードやスキーの滑走面はフラットである事が基本です。しかし、実際に完全なフラットを出すのは非常に難しいのが現状です。特に幅の広いスノーボードの場合はなおさらです。
以前はコンケーブ(滑走面の中央部がノーズからテールにかけて凹んでいる)やコンヴェックス(その逆に盛上がっている)ボードが多く見受けられましたが、現在は各メーカーの企業努力によってかなり改善されています。しかし出荷されるボードがすべてフラットであるブランドはほとんどないといっても過言ではないでしょう。
普通に乗っている人達はあまり判らないかもしれませんが、ボードを研磨したりリペアしているとそのボードの素顔が良く見えてくるものです。
別にメーカーに媚びるわけではありませんが、フラットを出すのはそれほど難しい事なのです。これらの原因はいろいろ考えられますが、そのいくつかを挙げてみると:
心材に使う木材に含まれる水分率の問題
木材には当然水分が含まれています。この水分率が高すぎると、製品になってからボードがねじれたりコンケーブなどの原因になります。
コンテナ・ヒートの問題
大半のスノーボードは、アメリカやヨーロッパで作られています。従って日本に輸入される時は、コンテナの中に入れて船便で運ばれてきます。通常の生産の流れとしては、年末くらいから商品サンプルを作り年明けに受注。そして春から夏にかけて生産し集荷するというのが一般的なスケジュールで、船に積まれる時期は夏場になってしまいます。そして日本に到着するまで約1ヶ月弱の期間を要するわけですが、この時、密閉されたコンテナの中の温度は100度以上になる場合があります。この高温が、2次発泡やねじれ、湾曲などの原因になる場合があるわけです。
接着剤の問題
「コンポジット・タイプ」の生産段階では、いろいろな材料を積層していく段階で接着剤を使用します。この作業は、一本一本人手によって行なわれますが、この時の接着剤の量や配合率によって、ボードに「ねじれ」や「そり」が発生する場合があります。
プレス時間の問題
「コンポジット・タイプ」の生産段階でプレスマシンを使用しますが、この時のプレス時間が長すぎたり短すぎたりすると、製品が出来上がった後で表面の剥離や「そり」が発生します。
基本的には「シルク印刷」という工程で行われます。どういうものかというと、ボードの形状に合わせた(ノーズ、テールの反りおよびキャンバー)金型=わくのようなもの、主にアルミまたは木製を作り、その中にシルク(メッシュ状の物)を張ります。このシルクにはインクが通る部分と通らない部分が加工されており、この金型をボードのデッキ面に乗せて、上から塗料をはけなどで塗る事によって、ボードにグラフィックが印刷されます。
しかしこの金型は「1色1型」なので、そのボードのグラフィックの色の数分だけ金型が必要です。この金型を作るには非常に技術が必要で、従って非常に高価なものとなっています。メーカーのように一つのモデルを大量に作る場合は、この金型代を償却する事ができますが、もし自分のオリジナルボードを作るとすれば、もろにコストに跳ね返ってしまいます。
また、この塗装面を時間をかけて乾燥させた後に「クリア」を塗布します。これはボードのデッキ面を光沢処理する工程で、これも均一な厚みで塗布する必要があります。これを塗らないと塗装面がはげたり傷つき易くなります。まあデッキ面の保護と行った役割を果たしています。これらの塗料やクリアは、特殊な素材が使われており、低温時やボードのフレックス、トーション時でもひび割れや剥離が起らないものが採用されています。
どのような理由で「塗装できる機械」を探されているのか判りませんが、個人で納入してオリジナルボードを作るには相当の資金(数百万以上)が必要でしょう。簡単な方法として、ボードのグラフィックを自分でデザインしてステッカーにして貼り付けるという方法がありますが、これも結局、前述の低温時やボードのフレックス、トーション時でもひび割れや剥離が起り、決して良い仕上がりにはなりません。 |
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